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戦闘機「飛燕」実物大で再現 倉敷の企業、4月に県内で披露

完成した飛燕の実物大レプリカ=茨城県小美玉市
完成した飛燕の実物大レプリカ=茨城県小美玉市
 倉敷市広江のオートバイ部品製造販売「ドレミコレクション」が製作を進めてきた旧日本陸軍三式戦闘機「飛燕(ひえん)」のレプリカが完成した。茨城県の立体模型製作会社と連携し、オークションで入手した実際の機体を参考に実物大で再現。当時の日本の技術力や戦争の悲惨さを伝えるオブジェとして、4月に岡山県内でお披露目する。

 レプリカ(全幅12メートル、全長8・74メートル、全高3・7メートル)はアルミ製で重量1・5トン。エンジンを搭載していないため飛行できないが、プロペラはモーターで動き、航行灯は点灯する。操縦桿(かん)や計器を備えたコックピットに入ることもできる。

 飛燕は川崎重工業のルーツとなる川崎航空機工業が開発し、太平洋戦争中に約3千機が生産された。細身のデザインで高速性能に優れ、旧日本陸軍の主力戦闘機の一つだったという。

 2017年、ネットオークションで実際の機体を落札した武浩社長(59)がレプリカ製作を計画。飛行機のレプリカを数多く手がける「日本立体」(茨城県小美玉市)に依頼し、21年から関連資料や実機を参考に設計図を作り、2月上旬に完成させた。

 3月2、3の両日、日本立体で一般公開した後、ドレミコレクションが新設した浅口市金光町須恵の専用格納庫(鉄筋コンクリート2階延べ376平方メートル)に移動。落札した機体とともに4月下旬、期間限定で公開する。

 製作中、飛燕製造に携わった技術者らから応援や励ましの手紙が寄せられてきたといい「精巧に再現できた。多くの人に見てもらい、日本の技術力の高さを感じてほしい」と武社長。格納庫は定期的に公開する予定で「戦争や平和について考える場としてもアピールしていきたい」としている。

(2024年02月29日 18時21分 更新)

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