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岡山駅前の噴水 環太平洋大移設へ 3月14~31日、最後の稼働

JR岡山駅東口広場のシンボルとして親しまれてきたピーコック噴水。環太平洋大キャンパスで第二の人生を歩むことが決まった=2021年(魚眼レンズ使用)
JR岡山駅東口広場のシンボルとして親しまれてきたピーコック噴水。環太平洋大キャンパスで第二の人生を歩むことが決まった=2021年(魚眼レンズ使用)
 岡山市は29日、路面電車乗り入れ事業に伴い撤去されるJR岡山駅東口広場の「ピーコック噴水」が環太平洋大(同市東区瀬戸町観音寺)に移設されると発表した。市内への再設置を条件に市が購入希望を募っていた。およそ半世紀にわたり県都の玄関口を彩ってきたシンボルは、キャンパスのオブジェとして第二の人生を歩むことになる。

 市交通政策課によると、噴水は球状に配置された531本のノズルから水が噴き出す仕組みで、1975年に設置された。高さ5・1メートル、直径4メートル。羽を広げたクジャクをイメージしたといい、待ち合わせ場所や撮影スポットとして市民や観光客に親しまれた。

 環太平洋大は第1キャンパス近くで年内の開業に向けて整備している陸上競技の練習施設「ランニングパーク」内に設置する。オブジェとして活用し、通水はしない。「ノズルが外に向かって延びるデザインは、世界に向かって羽ばたく学生のイメージと合う。岡山の文化遺産を預かる立場として大切に活用したい」としている。

 市は路面電車の乗り入れ事業に合わせて噴水の撤去を決め、市内への再設置や費用負担を条件に年明けから希望者を募集していた。売却額は噴水で使用される金属の価格に相当する8万2千円で、3月中に売買契約を締結。5月までに移設し、6月からの路面電車の軌道延伸工事に着手する。

 噴水は現在、冬季のためとして停止中。市は撤去前の3月14~31日、最後のお別れとして稼働させる予定だ。時間は午前8時~午後8時。

(2024年02月29日 12時08分 更新)

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