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Z世代の人材育成テーマに議論 岡山県立大で「吉備の杜」シンポ

Z世代の人材育成などをテーマに開かれたシンポジウム
Z世代の人材育成などをテーマに開かれたシンポジウム
 岡山県内の産業活性化に貢献する人材を育てる「『吉備の杜(もり)』創造戦略プロジェクト」のシンポジウムが21日、総社市窪木の県立大で開かれた。企業や行政の人事担当者らが登壇し、20歳前後を中心とした「Z世代」の人材育成をテーマに意見を交わした。

 人材育成のコンサルティング会社Momentor(東京)の坂井風太代表はZ世代の傾向として「終身雇用のシステムが揺らぐ中で、『この企業にいればどこでも通用する人材になれる』という安心感を求めている」と説明。その一方で企業側は個人の経験に基づいた育成手法が中心となっていると指摘し「若手がすぐ辞めると言う前に、経営者自身や自社のマネジメントを見直し、理論化していくべきだ」と訴えた。

 県内の企業や行政で人材育成に携わる4人も意見交換し、県経営支援課の草替隆樹課長は県の調査から多くの企業が人手確保や育成に課題を抱えている現状を説明。ソフト開発のシステムズナカシマ(岡山市)で採用などを担当する徳田美沙さんは「ベテランや若手それぞれに働き方の価値観があり、互いに尊重することが大切」と述べた。

 サッカーJ2ファジアーノ岡山の木村正明オーナーや県立大の沖陽子学長らによるトークセッションもあり、企業関係者や学生ら約130人が耳を傾けた。

 プロジェクトは県立大や県、中国銀行、山陽新聞社など県内26企業・団体による協働組織が2020年度にスタート。同大では食、ICT(情報通信技術)、木材・建設の3分野での地域課題をテーマに授業を行い、希望者は県内企業で商品や新技術の開発などを体験している。

(2024年02月21日 22時00分 更新)

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