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福岡に新たな物流センター開設 帝人ナカシマ、24年問題に対応

帝人ナカシマメディカルの物流センターが入る福岡県大刀洗町の倉庫
帝人ナカシマメディカルの物流センターが入る福岡県大刀洗町の倉庫
福岡に新たな物流センター開設 帝人ナカシマ、24年問題に対応
 医療機器製造の帝人ナカシマメディカル(岡山市東区上道北方)は、福岡県大刀洗町に新たな物流センターを開設した。トラック運転手の残業規制で物流の停滞が懸念される「2024年問題」を見据え、主力の東京と、岡山を合わせた3拠点体制とすることで、取引先の医療機関へ円滑に製品を届ける狙い。

 九州北部を横断する大分自動車道筑後小郡インターチェンジ(IC)の南約2キロにある2階建て倉庫のうち約100平方メートルを賃借。病院向けの人工関節、骨接合材料などを保管し、中国地方西部と四国、九州の全域に配送する。1日に運用を始めた。

 患者の体格によって適合する製品が異なるため、通常は複数サイズを送り、大半が未使用のまま返却される。このため再出荷前の洗浄、使われたサイズの補充、メンテナンスを行うスペースも設けた。

 既存の物流拠点のうち岡山は保管スペースが限られ、これまで製品の多くは東京物流センターから全国へ配送してきた。24年問題によって長距離輸送が困難になる上、急ぎの場合は注文翌日の配送が求められることもあり、新たな拠点が必要と判断した。同社は「運転手の残業規制が強化されても、迅速に製品を届けられる体制を構築したい」としている。

 同社は08年、船舶用プロペラ製造のナカシマプロペラから医療機器部門を分社して設立。15年からは化学・合成繊維大手の帝人(大阪市)と共同出資する合弁会社となった。資本金1億円、売上高89億1千万円(23年3月期)、従業員約370人。

(2024年02月13日 16時30分 更新)

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