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鬼はらう矢放ち平穏無事祈る 福山・沼名前神社で「お弓神事」

平穏無事を祈って矢を放つ弓主
平穏無事を祈って矢を放つ弓主
 福山市鞆町後地の沼名前(ぬなくま)神社で11日、市無形民俗文化財の「お弓神事」があり、地元から選ばれた「弓主」2人が悪鬼をはらおうと力強く矢を放ち、一年の平穏無事を祈った。

 弓主は鞆町内7地区の氏子から持ち回りで選ばれ、今年は大弓主を会社経営小川真平さん(43)、小弓主を会社員藤本拓太さん(38)が務めた。

 烏帽子(えぼし)、素襖(すおう)姿で境内の弓場に登場した2人は周りの「ねーろた、ねろた」の掛け声に合わせて弓を引き、それぞれ6本の矢を放った。28メートル先に設置された直径約2メートルの的に矢が当たると参拝者から大きな歓声が上がった。

 市立鞆の浦学園の中学3年男子(14)は「連続で的に当てて格好良かった。自分も将来、弓主をしたい」と話した。

 お弓神事は1800年以上前に神功皇后から同神社に弓矢の道具「鞆」が奉納されたことに由来し、江戸初期には行われていたとされる。

(2024年02月11日 22時30分 更新)

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