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蒜山伝統「がま細工」作り最盛期 女性ら繊細な手つきで編み上げ

がま細工を編み上げる女性たち
がま細工を編み上げる女性たち
 真庭市蒜山地域の岡山県郷土伝統的工芸品「がま細工」の製作が最盛期を迎えている。地元で育つヒメガマとシナノキを使った600年以上の伝統を誇る素朴な民具。女性たちが1点ずつ、繊細な手つきで作り上げている。

 14世紀の南北朝時代、兵糧を運ぶ背負いかごを作ったのが起源とされる。軽くて丈夫、防水性にも優れており、雪国に欠かせないさまざまな製品が作られ、冬場の手仕事として受け継がれてきた。

 今季は昨年11月下旬から蒜山蒲(がま)細工生産振興会の8人が、同市蒜山下徳山の作業場で作り始めた。ヒメガマとひも状により合わせたシナノキの皮で、木製の道具も使いながら丁寧に編み込む。定番の手提げかごをはじめ、小物入れ、鍋敷きなどに仕上げていく。

 「使い込むほどに手になじみ風合いが楽しめる。長く愛用してもらえるように」と心を込めるのは振興会最年少の杉村礼美さん(54)=同市。製作は4月まで続き、春以降に地元の道の駅や観光施設のほか、関東のセレクトショップなどで取り扱われる。

(2024年02月05日 20時29分 更新)

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