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チョコや雑貨 自分へのご褒美に 岡山県内 バレンタイン商戦活況

カラフルをテーマに売り場を展開するハンズ岡山店
カラフルをテーマに売り場を展開するハンズ岡山店
板チョコをモチーフにした「メゾンドフルール」のバッグ
板チョコをモチーフにした「メゾンドフルール」のバッグ
 バレンタインデー(14日)を前に、岡山県内の百貨店や商業施設で商戦が盛り上がっている。近年は自分へのご褒美として購入する傾向が強まっており、各店は年に一度の“祭典”に合わせ、特別感のあるチョコレートや心をくすぐるような菓子をそろえてアピール。新型コロナウイルスが5類に移行して初の商戦とあって、来店を促す仕掛けを施した店もある。

 天満屋岡山店(岡山市北区表町)は国内外130ブランド約1500種類を用意。フランスの老舗・ベルナシオンのタブレット(板チョコ、1枚5千円前後)をはじめ海外の高級品が人気を集めている。1人当たりの平均購入単価は前年比千円増の4千円程度。円安や原材料費の高騰で値上がりした影響もあるが、「高くても自分の好きなものを買いたいという熱気を感じる」(同店)という。

 カラフルをテーマに売り場を展開するのはハンズ岡山店(同下石井)。東京・原宿発の人気量り売り専門店「キャンディー・ア・ゴー・ゴー」の綿菓子やグミ、マシュマロはパステルカラーが目を引く。好きなアイドルやアニメキャラクターを応援する「推し活」需要に応え、推しのイメージカラーを選べるよう色のバリエーションを充実させた商品も。同店は「幼い子どもや学生ら幅広い年代が楽しみながら選んでいる」としている。

 イオンモール倉敷(倉敷市水江)は、思わず集めたくなるようなパッケージのチョコが並ぶ。若者のレトロブームに着目し、銭湯やパーラーといったテーマごとのイラストが描かれた缶などが初登場し、ファンの心をつかんでいる。

 ご褒美需要が伸びる中、チョコ以外の雑貨にも市場が広がる。カジュアル衣料大手のストライプインターナショナル(岡山市北区幸町)は、2022年からチョコがモチーフのアイテムを雑貨ブランド「メゾンドフルール」で販売。今季は板チョコ形のバッグやポーチで「食だけでなく、雑貨を身に着けることでもバレンタインの雰囲気を味わって」(同社)とPRする。

 日本生命保険が毎年、契約者を対象に行うバレンタインデーに関するインターネット調査によると、「誰にプレゼントを渡すか」の問いに「自分自身」と答えた割合が、23年は22年比1・6倍、21年比の2倍に。ニッセイ基礎研究所の久我尚子上席研究員は「今年も自分用に購入する割合が微増の見込み。予算も上がっており、一層こだわりたいという思いがあるのでは」と分析する。

 5類移行で客足が回復する岡山市内の百貨店は、来店回数を増やしてもらおうと、チョコの特設会場で食のイベントを企画した。天満屋岡山店は週替わりでマルシェを併催。岡山高島屋(岡山市北区本町)はポップアップストア(期間限定店舗)を2店誘致した。同店は「国内外のチョコが集まる『ショコラの祭典』に何度も足を運び、お気に入りを見つけて」と呼びかける。

(2024年02月05日 16時35分 更新)

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