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防災用品 能登地震以降に販売急増 岡山県内 携帯トイレや長期備蓄水

携帯トイレや防災セットなど関連商品が並ぶカインズ岡山南店の売り場
携帯トイレや防災セットなど関連商品が並ぶカインズ岡山南店の売り場
防災用品のコーナーを常設するとともに、防災カタログを配っているナンバ河辺店
防災用品のコーナーを常設するとともに、防災カタログを配っているナンバ河辺店
 1日で発生から1カ月となった能登半島地震を受け、改めて防災関連用品への関心が高まっている。断水や停電が長期化している真冬の災害とあって、岡山県内のホームセンターや家電量販店では携帯トイレや長期備蓄が可能な保存水、防寒グッズなどの販売が急増。各店はいざというときの備えを呼びかけている。

 地震発生翌日の1月2日以降、カインズ岡山南店(岡山市南区海岸通)は防災用品を買い求める客が増えた。携帯トイレや一部の非常食は一時売り切れに。常設の売り場とは別に、土のう袋や非常食、懐中電灯などを並べた特設コーナーを1週間ほど作って対応した。ナンバ河辺店(津山市国分寺)もカセットコンロや保存水の販売が拡大。亀山真和店長は「災害直後は特に、被災地の知人や取引先に送るために購入する人も多かった」と振り返る。

 客足は次第に落ち着いてきたものの、カインズ岡山南店はラジオ付きライトや防寒アルミシートなどが入った防災セット、携帯トイレなどがよく売れ、1月の関連用品の売り上げが前月の約15倍に上った。停電しても暖を取れる石油ストーブや、手回し式充電ラジオに関する問い合わせも増え、森竹剛志店長は「能登の被災状況を見て、電気以外のエネルギーで使える製品のニーズが高まっている」とみる。

 ビックカメラ岡山駅前店(岡山市北区駅前町)も、車中泊用グッズを詰めた防災バッグや保存水など防災用品全体で1月の売上高が前年同月に比べ約4倍となった。加えて、コンセントがない場所でも電気が使えるポータブル電源の問い合わせが増加。1月下旬に店内で品定めをしていた客(67)=同市中区=は「食料の備蓄だけでなく、電気もあった方が備えの安心度が増す。より良いものを選びたい」と話す。

 全国で相次ぐ自然災害。小売店では消費者の防災意識向上につながるような取り組みもみられる。

 カインズ(埼玉県本庄市)は、地震・火災・風水害といった災害の種類に応じた対策のほか、避難所生活や車中泊などシーン別に役立つ商品をまとめた「防災BOOK」を全国の店舗で配っている。

 ナンバ(津山市材木町)も2018年の西日本豪雨で被災した社員の声を基に、避難生活や復旧作業に必要な商品をピックアップした「防災カタログ」を全店で配布。防災用品をそろえたコーナーも常設し、対策の提案に力を入れる。河辺店の亀山店長は「カタログは非常用持ち出し袋を作る際の参考にしてもらえれば。家具の転倒を防ぐ突っ張り棒の適切な取り付け方もアドバイスするので気軽に相談してほしい」と話す。

(2024年02月01日 17時13分 更新)

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