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高い演技力 注目の子役・黒川さん 昨年の映画祭 主演作ノミネート

「役になりきって物語の世界観に入れるのが楽しい」と語る黒川さん
「役になりきって物語の世界観に入れるのが楽しい」と語る黒川さん
短編映画「しずく」の一場面(相馬雄太監督提供)
短編映画「しずく」の一場面(相馬雄太監督提供)
 岡山大付属中1年の黒川瑛斗さん(13)は子役として高い演技力を見せる。「多くの人と一つの作品を作り上げていくのが面白い」。初めて主演を務めた短編映画「しずく」が子ども向けに特化した国内最大級の映画祭「キネコ国際映画祭」(昨年11月・東京)にノミネートされるなど注目を集める。

 「しずく」(約15分)は大人に代わって日常的に家族の世話をするヤングケアラーを題材にした自主製作の社会派作品。うつ病の母親との二人暮らしで追い詰められた少女に対し、同じダンス教室に通う少年役の黒川さんが「人に迷惑をかけていいんだよ」と救いの手を差し伸べる。「何度もせりふを読み込み、自分の言葉として言えるように体でなじませた」。相馬雄太監督(32)=千葉県=は「難しい役柄を自然な演技でこなしてくれた」と称賛する。

 黒川さんは岡山大付属小2年時に県内の小中学生から募った岡山子ども未来ミュージカル「ハロルド!」に参加し「自分ではない役で物語の世界に入り込める」演劇にはまった。岡山市内の俳優養成所に通い、ホラー映画「リゾートバイト」や岡山市民ミュージカル「慈愛と恵み 石井十次物語」などに出演している。

 今回の映画主演は約百人の中からオーディションで選ばれた。「舞台で培ったダンス技術を生かせた。また映画に出て、見ている人がわくわくするような演技を見せたい」。「しずく」は動画サイト・ユーチューブの相馬監督のチャンネルで公開中。

(2024年01月27日 18時08分 更新)

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