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寅間心閑さん「未熟な悪人」選ぶ 木山捷平文学選奨・短編小説賞

寅間心閑さん
寅間心閑さん
 笠岡市などは22日、全国の新人作家を対象にした「第19回木山捷平文学選奨・短編小説賞」に、会社員寅間(とらま)心閑(しんかん)さん(49)=本名非公表、東京都=の「未熟な悪人」を選んだと発表した。3月3日に同市で表彰式がある。

 「未熟な悪人」は、大学受験を控えた男子高校生が主人公。一緒に勉強を頑張っていた友人が親戚の料亭に就職することを知り、鬱屈(うっくつ)した日々を過ごしていたが、友人の就職話が破談して安堵(あんど)する自分に嫌悪感を抱く心の機微を独特のユーモアを交えて描いた。

 267編の応募があり、予備選考を通過した10編を作家の佐伯一麦氏らが審査。「ユーモアの中にもどこか苦みがあり、木山捷平の作風に通じるものが感じられた」などと評価した。

 20年ほど前から小説を書き続けており、同賞には過去に数度挑戦したという。寅間さんは「これまでは力及ばずだったので素直にうれしい。今後も良い作品を書き続けたい」と話した。

 同文学選奨は笠岡市出身の文筆家木山捷平(1904~68年)を顕彰し、2005年度に創設。副賞として50万円が贈られる。

(2024年01月22日 21時11分 更新)

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