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仁城さん ボランティア親善大使に 昼食配布評価、全米表彰式出席へ

校内で昼食を無料提供する活動で親善大使に選ばれた仁城さん
校内で昼食を無料提供する活動で親善大使に選ばれた仁城さん
 青少年の社会貢献活動をたたえる「第27回ボランティア・スピリット・アワード」で、井原市立高(同市井原町)2年の仁城ひなたさん(17)が、全国で2人だけが5月の全米表彰式に出席できる「米国ボランティア親善大使」に選ばれた。定時制の同校内で昼食を無料で配る活動が評価された。「助けになっていたか疑問だったけど、認められたようでうれしい。自分に自信が持てた」と喜んでいる。

 仁城さんがボランティアを始めたのは昨年7月、食品ロスや子どもの貧困問題解消を目的に活動する一般社団法人「コノヒトカン」のコンテストに応募したのがきっかけ。「定時制高校では昼食を食べずに生活のためにアルバイトへ向かう生徒が普通だった。健康的な食生活とは呼べない」と感じ、プロジェクト「みんなの給食室」を立ち上げた。

 9月から月1、2回のペースで行い、助成金を得るなどして用意した米を使って毎回約80個のおにぎりを作り、生徒らに無料で提供。このほか、経済的に厳しいのにスーパーなどで総菜を購入する家庭も多いと聞き、手作りの良さを伝える絵本も作り、市内の小中高校に配るという。

 同アワードは、プルデンシャル生命やジブラルタ生命などが主催。全国から464件の応募があった。仁城さんの取り組みは書類審査などを経て「定時制高校に通う生徒の実態を社会的に認知させて広めた」と評価され、12月に親善大使に選ばれた。

 仁城さんは「将来は海外で働くことも考えている。海外は日本以上に貧富の差があるので、いろいろな価値観を吸収したい」と渡米へ意気込んでいる。

(2024年01月20日 16時53分 更新)

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