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名工・景秀手がけた太刀を初展示 瀬戸内の備前長船刀剣博物館

景秀が手がけた太刀に見入る入場者
景秀が手がけた太刀に見入る入場者
 備前刀の最大流派「長船派」の黎明(れいめい)期を担った名工・景秀(かげひで)が鎌倉中期の14世紀に手がけた太刀が、瀬戸内市長船町長船の備前長船刀剣博物館で初めて展示されている。市が2023年度に購入し約700年ぶりの帰郷。2月4日まで。

 景秀は長船派の始祖である光忠の弟で、光忠とともに長船派の基礎を築いた。戦国武将・伊達政宗の愛刀「くろんぼ切」(国重要文化財)も景秀の作品として知られている。

 公開されている太刀は長さ70・8センチ。長船派初期によく見られる波状の「丁子(ちょうじ)」と「互(ぐ)の目」が交じった刃文と、刀身に浮く白い影のような備前刀特有の「映り」も見られる。持ち手部分の茎(なかご)には「景秀」の文字が確認でき、江戸時代に刀剣の研磨と鑑定を行う本阿弥家が価値のある刀に発行する鑑定書「折紙」も付いている。

 同博物館は「景秀の名前入りの刀は全国的に珍しい。研ぎ減りもほとんどなく、作られた当時の姿を残している。資料が少ない長船派黎明期を探ることができ、学術的に貴重な刀」としている。

 日本刀など41点を展示する「新収蔵品展」の一環。問い合わせは備前長船刀剣博物館(0869ー66ー7767)。

(2024年01月18日 11時07分 更新)

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