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注意喚起機能は正常に作動 管制官、見落としの可能性

 羽田空港の滑走路で進む日航機の撤去作業。翼部分が切断された=5日午前
 羽田空港の滑走路で進む日航機の撤去作業。翼部分が切断された=5日午前
 羽田空港で日航と海上保安庁の航空機が衝突した事故で、着陸機が接近する滑走路に別の機体が進入した場合、管制官に画面上で注意喚起する「滑走路占有監視支援機能」が事故当時、正常に作動していたことが分かった。国土交通省が5日、明らかにした。海保機は滑走路への進入後、約40秒間停止していたとみられ、管制官が注意喚起表示を見落としていた可能性が出てきた。

 国交省は管制官が海保機に進入を許可していなかったと説明。日航機のパイロットも「海保機は視認できなかった」としており、事故の背景にヒューマンエラーを含む複数の要因が重なっていた疑いが浮上した。運輸安全委員会や警視庁が状況を詳しく調べる。

 斉藤鉄夫国交相は注意喚起表示を常時監視する人員を6日から配置すると明らかにした。これを柱とする緊急対策を連休明けにも公表する方針。

 安全委によると、3日に日航機のフライトレコーダー(飛行記録装置)を発見した。ボイスレコーダー(音声記録装置)は見つかっていない。現場のC滑走路付近では機体の撤去作業が5日午後も続いた。

(2024年01月05日 19時20分 更新)

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