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セネガルのサッカーチーム支援 矢掛のアパレル 現地若者の希望に

ジャムタンの洋服に身を包みサッカーチーム支援について話す田賀さん
ジャムタンの洋服に身を包みサッカーチーム支援について話す田賀さん
支援で購入したシューズを履き、地域リーグ決勝戦に臨むASCjamtunの選手ら=2022年12月(田賀さん提供)
支援で購入したシューズを履き、地域リーグ決勝戦に臨むASCjamtunの選手ら=2022年12月(田賀さん提供)
 西アフリカ・セネガルの布を使ったフェアトレード(公正な貿易)に取り組んできた岡山県矢掛町のアパレルブランド「jam tun(ジャムタン)」が、同国のサッカーチーム支援を新たに進めている。洋服や小物を販売するアパレル事業は、現地の仕立職人の生活安定に寄与しており、チームへの新たな支援はメンバーを後押しし、地域活性化に影響を及ぼしている。

 ジャムタンは同町の田賀朋子さん(34)が青年海外協力隊員として同国シンチューマレム村で活動した経験を生かし、2017年に立ち上げた。現地の仕立職人クイエ・コンテさん(39)に日本人の体形に合わせた洋服を発注し、田賀さんが日本で販売している。

 適正な賃金を支払い、商品は全て田賀さんが買い取るためコンテさん家族の生活は安定し、見習い職人も増えているという。

 サッカー支援は22年秋から始めた。13~18歳の約30人で地域リーグ所属チームが結成され、村の若者たちがサッカーが得意なコンテさんに監督就任を依頼。コンテさんの仕事にちなんでチーム名は「ASCjamtun」に。この縁で田賀さんは半年に一度、売り上げから5万円を贈ることにした。

 セネガルの物価は日本の4分の1程度。シューズなど用具を購入しリーグの試合参加費も捻出できた。22年末はリーグ優勝するなど躍進し、上位チームにスカウトされる選手も現れた。

 ワールドカップで8強入りしたこともあり同国で関心が高いサッカー。田賀さんは「活躍すると村の話題はチームで持ちきり。地域が盛り上がり、活性化につながっている」と手応えを話す。

 チームは全国大会出場を目標に据える。ハードルは高いが、かなえばセネガル強化メンバー入りやプロに注目される機会になる。「チームは村の若者の希望になっている」とコンテさん。田賀さんは「さらにサッカー支援ができるよう、ジャムタン事業も進めていきたい」と話している。

(2023年12月31日 19時57分 更新)

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