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ウクライナへ車いす千台超 福山のNPOなど 最終便発送

ウクライナへの車いすを運送会社に運び込むスタッフ=12月14日、福山市内
ウクライナへの車いすを運送会社に運び込むスタッフ=12月14日、福山市内
日本から贈られた車いすに乗る高齢者=5月2日、キーウ近郊のイバンキフ村(木村正人さん撮影)
日本から贈られた車いすに乗る高齢者=5月2日、キーウ近郊のイバンキフ村(木村正人さん撮影)
 ロシアの侵攻が続くウクライナに日本のNPOなどが届けてきた車いすの最終便が出発し、活動が一区切りを迎えた。総数は1095台と目標の千台を超え、4割強はさくら車いすプロジェクト広島支所(同市神辺町下竹田)が協力した。避難生活で苦労している高齢者や負傷者らに利用され、感謝のメッセージも届いている。

 ウクライナで取材しているフリージャーナリスト木村正人さん(62)の呼びかけで東京都や札幌市のNPOなど4団体が国内で使われなくなった車いすを昨年冬から4回にわたり計815台贈った。最終便は8団体が集めた280台で、24日に船便で発送された。来年2月、ポーランド経由でウクライナに運ばれる。

 広島支所がこれまで贈ったのは計470台で、広島県内外の介護機器メーカーや施設などから譲り受け、キャスターを交換したり、ブレーキを直したりして整備。愛媛県の高校から届いた20台と合わせ50台を14日、最終便として福山市の運送会社に運び込んだ。

 ウクライナでは国内の安全な州に500万人以上が避難し、車いすが大幅に不足。日本から届けた車いすは首都キーウや西部の病院などで利用され「快適で操作性に優れている」「外に出る機会を得た」と感謝されているという。

 桂達也支所長(63)は「戦争という理不尽な暴力に遭った人々を支え、人生の次のステップに進む役に立ちたい。要望があれば支援を続けていく」と話す。

(2023年12月26日 18時46分 更新)

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