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イシカワHD 茶製造事業を承継 美作のクオリティー社から

クオリティー社が製造販売してきたほうじ番茶。イシカワHD傘下の新会社が事業を引き継ぐ
クオリティー社が製造販売してきたほうじ番茶。イシカワHD傘下の新会社が事業を引き継ぐ
 投資会社・イシカワホールディングス(HD、岡山市北区弓之町)は25日、「下山さんちのお茶」のブランド名で知られる茶製造販売のクオリティープランテーションズ(美作市海田)の事業を承継した。同HDが出資する新会社が引き継ぎ、業容拡大を図る。

 新会社は茶下山(岡山市北区弓之町、資本金100万円)で、同HDが99%、クオリティー社の下山桂次郎社長の親族が1%を出資し10月に設立。社長に同HDの石川康晴社長が就いた。茶畑約4ヘクタール、製茶工場などをクオリティー社から1500万円で譲り受けた。ともに茶畑のある美作市と岡山県勝央町の農業委員会の許可を今月10日に受け農地所有適格法人となった。

 下山社長を含むクオリティー社の役員と従業員全3人は新会社に移り、下山氏は従業員として茶の栽培や加工に専念する。

 同社は、2001年に茶農家3戸が製茶組合「クオリティー美作」として立ち上げ、17年に株式会社に改組し現社名となった。茶葉を工場でほうじ番茶や煎茶に加工。県内の道の駅や百貨店などに卸している。売上高は1千万円(22年12月期)。

 新型コロナウイルス禍の影響などで、JR倉敷駅前と美作市の湯郷温泉街にあった直営2店を20年までに閉店。事業譲渡は、下山氏が知り合いの石川社長に経営を任せようと持ちかけた。クオリティー社は資産や負債を清算し、廃業する方針。

 茶下山は、同HDの4社目の連結子会社となる。石川社長は「飲食店やホテルへの販路拡大、ハーブティーといった新たな商品開発などを進める。売上高10億円を目標に掲げ、農業振興につなげたい」とする。

(2023年12月26日 05時00分 更新)

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