山陽新聞デジタル|さんデジ

不要な服回収し小豆の皮で染色 大手饅頭伊部屋、良品計画と連携

小豆の皮を再利用した染料を活用したトートバッグとポーチ。24日に配る大手まんぢゅうはオリジナルパッケージ入り
小豆の皮を再利用した染料を活用したトートバッグとポーチ。24日に配る大手まんぢゅうはオリジナルパッケージ入り
 菓子製造販売の大手饅頭伊部屋(岡山市北区京橋町)は、良品計画(東京)が展開する生活雑貨店「無印良品」で回収した衣服の染色に乗り出す。小豆の皮を再利用した自社開発の染料で、不要品に新たな価値を加える「アップサイクル」を目指す。24日から回収を始める。

 染料は大手饅頭伊部屋が、倉敷市児島地区の染色業者の協力を得て2020年に開発。こしあんを作る工程で週に200~300キロの小豆の皮を廃棄していたため、有効活用しようと考案した。皮のみを煮詰めた煮汁に生地を漬けると、薄ピンクの色合いが出せるといい、バッグやポーチを販売している。

 良品計画は15年から店舗で回収した服を染め直して販売しており、親和性の高い両社の試行が実現した。数量がそろい次第、開発に着手する。無印良品の取扱品のうち、染料の関係上、薄い色合いの衣服を対象に回収。岡山県内全店に置かれているボックスで受け付ける。

 岡山市の表町商店街で24日、岡山県内の事業者らが飲食や雑貨を販売する「つながる市」が開かれるのに合わせ、同商店街にある中之町の店舗にこの日衣服を持ち込んだ人には、オリジナルパッケージの「大手まんぢゅう」を1着につき1個プレゼントする。パッケージは今回の取り組みにちなんで作成。全体を薄ピンク色に変え、側面に小豆の柄を配した。

 大手饅頭伊部屋の大岸聡武常務は「チェックやボーダー柄の衣服も、染め直せば違った印象になり面白そう。地域で資源が循環する良い取り組みなので、広げていきたい」としている。

(2023年12月22日 16時55分 更新)

あなたにおすすめ

ページトップへ