山陽新聞デジタル|さんデジ

真庭・福王寺の小谷住職 日本一 H1法話グランプリ2023

H1法話グランプリで優勝を果たした小谷さん
H1法話グランプリで優勝を果たした小谷さん
 宗派を超え、全国から集まった僧侶が法話を披露する「H1法話グランプリ2023」(2日、奈良市)で、真庭市蒜山中福田の福王寺住職小谷剛璋(ごうしょう)さん(37)が優勝した。「地元蒜山を盛り上げたい」との一心で出場。人生を勇気づける話を軽快な話術で語り、聴衆の心をつかんだ。

 「もう一度会いたいお坊さん」を選ぶユニークな大会で、僧侶らでつくる実行委が主催。約40人の応募を勝ち抜いた8人が参加し、俳優の檀ふみさんら審査員と観客約1400人が優勝者を選んだ。

 小谷さんは、昨年仏門に入ったばかりの弟子高橋浄休(じょうきゅう)さん(49)が仏教発祥の地インドに渡り、同国仏教界指導者の佐々井秀嶺氏=新見市出身=と交流するなど次々と挑戦する姿を題材に法話を展開。「一瞬の発心に触れれば、どんな人でも行動できる」「すがすがしい眼(まなこ)で心を見て。片隅にはいつも宝物がある」と説き、日常に潜む発心のきっかけに目を向ける大切さを語りかけた。

 聴衆を引きつけたのは軽妙な語り口と精妙な文章構成力。古刹(こさつ)の跡取りとして寺の存続に思い悩む自分を弟子と比較しながらユーモアを交えて話を練り上げ、身に染み込むまで毎日練習を重ねた。

 真言宗御室派総本山の仁和寺(京都市)から19年に帰郷。過疎化などで檀家(だんか)や参拝客が減る現実に「地元のために絶対優勝する」との熱い思いで臨んだ小谷さん。朗報に地元の反響も上々で「法話イベントなど蒜山に人が訪れる催しを企画したい。出身者が地元に帰ってくるきっかけをつくれたら」とにっこり笑った。

(2023年12月21日 21時21分 更新)

あなたにおすすめ

ページトップへ