山陽新聞デジタル|さんデジ

日大アメフト廃部に懸念の声 「連帯責任に強い疑問」

 8月、無期限活動停止処分が解除され、練習を再開した日本大アメリカンフットボール部員=東京都世田谷区
 8月、無期限活動停止処分が解除され、練習を再開した日本大アメリカンフットボール部員=東京都世田谷区
 日本大アメリカンフットボール部は違法薬物事件の影響で廃部の方針が固まった。事件の全容解明がなされていない現状で、チーム全体で連帯責任を取らせる大学側の手法にスポーツ界では懸念の声が上がっている。

 日大の宿敵で、2018年の「悪質タックル問題」で当事者になった関西学院大の小野宏ディレクターには危機感がうかがえた。「警察の捜査による最終結果が出ていない段階で、これほど歴史のある部を廃部とする決定をしたという報道に驚いている。関わっていない学生までもが連帯責任のようにして罰を受け、活躍の場を奪われることに強い疑問を感じる」と核心を突いた。

 別の大学の指導者は、問題解決を急いだかのような日大の方針に「モデルケースになってくるのではないか」と前例になることを警戒した。

 日大の問題では、林真理子理事長ら幹部の運営や対立が「学生置き去り」との批判を受けた。悪質タックル時にアメフト部監督だった内田正人氏は「アメフト部だけの問題じゃなく、お家騒動みたいな要素も加わってしまった」と指摘した。

(2023年11月30日 13時30分 更新)

あなたにおすすめ

ページトップへ