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UAE石油採掘でジュゴン危機 COP議長国計画、中止求め活動

 ジュゴン(ゲッティ=共同)
 ジュゴン(ゲッティ=共同)
 ペルシャ湾に生息する絶滅危惧種ジュゴンがアラブ首長国連邦(UAE)の化石燃料採掘で脅かされるとして、複数の環境団体が計画中止を求めるキャンペーンを始めることが28日、分かった。計画する国営石油会社のトップは、同国で30日から開かれる国連気候変動会議で議長を務めるジャベル産業・先端技術相。このため環境団体は会議に合わせて活動を始め、会期中のイベントなどで中止を訴える予定だ。

 キャンペーンを企画するドイツの環境団体LINGOによると、現場はUAE沖ペルシャ湾に広がるマラワ海洋保護区のブティナ島周辺。アブダビ国営石油会社が石油と天然ガスの採掘の準備を進める。島周辺はジュゴンが高い密度で生息し、施設建設に伴い石油の流出や船との接触、騒音、餌となる海草の減少といった生息環境の破壊が懸念される。

 同団体は、UAEで国連気候変動枠組み条約第28回締約国会議(COP28)が開かれることを踏まえ「気候変動対策を話し合う参加者の目の前で、こうした計画が進むことは許しがたい」と反発する。

(2023年11月28日 16時59分 更新)

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