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認知症当事者の支援 主体性尊重を 岡山で講演会、在り方考える

若年性認知症当事者の声を聞き、支援について考えた講演会
若年性認知症当事者の声を聞き、支援について考えた講演会
 認知症の人が自分らしく生きるにはどういう支援が必要かを考える講演会が25日、岡山市中区桑野の岡山ふれあいセンターであった。若年性アルツハイマー型認知症の下坂厚さん(50)=京都市=が「当事者の主体性を尊重して。人として向き合い、伴走してくれるパートナーになってほしい」と訴えた。

 下坂さんは46歳の時、仕事でミスが続き、できないことが増えて診断を受けた。活用できる支援制度に出合えなかった経験も報告し「絶望と混乱、不安に包まれた。自らの力で希望につながる情報を得るのは容易ではなく、この時期に苦しみから解放されるための支援が必要」と述べた。

 認知症に対する偏見は根強く、過剰な心配が当事者のできることを奪っていると指摘。「支え合いながら生きていける社会になれば」と啓発活動にかける思いを話した。

 下坂さんと介護家族、支援者を交えた座談会もあり、診断直後に当事者に相談できる、京都市の医療機関の仕組みや、岡山市の制度などを紹介し、支援のポイントなどを考えた。

 若年性認知症の人や家族らでつくる一般社団法人「はるそら」(同市北区南方)が主催、市と市ふれあい公社が共催し約50人が聴いた。同センターでは、下坂さんが診断直後からの思いを写真で表現した作品展が12月8日まで開かれている。

(2023年11月25日 16時55分 更新)

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