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笠岡・長鋪家住宅など 文化審答申 登録有形文化財に 岡山県内は9件

長鋪家住宅の主屋
長鋪家住宅の主屋
山成酒造の店舗兼主屋
山成酒造の店舗兼主屋
 文化審議会は文部科学相に24日答申した登録有形文化財に、長鋪(ながしき)家住宅(笠岡市神島)や山成酒造(井原市芳井町簗瀬)、林家住宅(福山市鞆町鞆)の各主屋をはじめ、岡山、広島県など38都道府県の290件を選んだ。

 岡山は2カ所9件。長鋪家住宅は江戸末期の建築とされる主屋に内蔵、内門を加えた3件で、主屋は入り母屋造りの屋根が特徴。なまこ壁が施された内蔵、緻密な構造の内門とともに、格式高い造りが評価された。長鋪家は海運業などを営んだ地元の名家。

 山成酒造は1882(明治15)年築で石敷きの通り土間がある店舗兼主屋など6件が対象になった。とりわけ離れ座敷は床の間の構造に趣があり、当時の造形の規範に値するとされた。他は、内蔵、蔵、東仕込蔵、西仕込蔵。

 広島は2カ所4件で、うち福山市からは醸造、回船業で財を成した林家住宅の主屋1件が選ばれた。明治中期に建てられた入り母屋造り平入りの様式で、2階壁面に「木瓜(もっこう)形虫籠(むしこ)窓」を並べた豪壮な意匠が特徴。

 告示後の登録有形文化財は1万4035件。岡山は362件、広島は299件(福山市40件)となる。

(2023年11月24日 20時52分 更新)

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