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資材置き場や周辺の土壌調査着手 有害物質問題で岡山県、分析急ぐ

岡山県吉備中央町の資材置き場にあったフレコンバッグ梱包物の溶出検査について説明する県の担当者
岡山県吉備中央町の資材置き場にあったフレコンバッグ梱包物の溶出検査について説明する県の担当者
資材置き場や周辺の土壌調査着手 有害物質問題で岡山県、分析急ぐ
 岡山県吉備中央町の円城浄水場(同町上田西)から有害な有機フッ素化合物(PFAS(ピーファス))が確認された問題で、岡山県は22日、浄水場の水源近くの資材置き場(同町上田東)や周辺の土壌調査に着手したと発表した。資材置き場で大型袋「フレコンバッグ」に梱包(こんぽう)するなどして保管されていた使用済み活性炭からは最高で国の暫定目標値(1リットル当たり50ナノグラム=ナノは10億分の1)の9万倍に当たる450万ナノグラムのPFASが検出されており、県は「発生源の可能性が極めて高い」とみて土壌の分析を急ぐ。

 活性炭は地元の民間企業が長年、資材置き場の一角で多数のフレコンバッグに梱包して保管していたが、450万ナノグラムが検出された活性炭はバッグに入っておらず、地面に山積みの状態で置かれていたことが新たに判明。県は今後、活性炭の管理が適切だったかどうかについて、企業側から詳しい聞き取りを行う。

 これまでの県の水質調査では、円城浄水場に流れ込む水域のうち、最上流部の沢から国の目標値の1240倍となる6万2千ナノグラムの最高濃度が検出されている。資材置き場はその約100メートル北に位置しており、県は活性炭に吸着していたPFASが地中に浸透し、沢に溶出したとの見方を強めている。県の聞き取りに企業側は「活性炭からPFASは出ないと考えていた」と説明したという。

 土壌調査はフレコンバッグが置かれていた箇所を中心に実施。既に十数地点でサンプルの土を採取しており、県は専門家の意見を聞きながら成分の分析を進める。結果が出るまで1カ月程度を要する見込み。

 一連の問題は吉備中央町が10月、円城浄水場から2020年度以降に目標値を上回る濃度が検出されていたと公表して発覚した。町は現時点で住民の健康や農産物への影響はないとしている。

(2023年11月22日 22時51分 更新)

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