山陽新聞デジタル|さんデジ

精巧で表情豊か 喜之助人形に注目 瀬戸内で記念展、会期中盤

県内初公開の赤鬼や人間の子どもの人形に見入る来場者
県内初公開の赤鬼や人間の子どもの人形に見入る来場者
 瀬戸内市出身で世界的に活躍した人形師竹田喜之助(1923~79年)の生誕100年を記念した「竹田喜之助人形展」は会期中盤。会場の同市立美術館(同市牛窓町牛窓)には16日も大勢のファンが訪れ、精巧で表情豊かな人形たちに見入っていた。

 東京帝大(現東京大)で航空工学を学んだ喜之助は、工学知識を生かして理想の動きを追求。仕掛けの小型化による造形美も備えた糸操り人形は「喜之助人形」と呼ばれ、生涯で2600体以上を制作した。

 会場には代表作の「雪ん子」「黒姫ものがたり」といった演目ごとに計約100体を展示。一場面を再現するなどして物語の世界観を伝える。「泣いた赤鬼」のコーナーは県内初公開の赤鬼や青鬼、人間の子どもなど12体が並び、愛嬌(あいきょう)のある表情と今にも動き出しそうなポーズで人々を楽しませている。

 同市の来場者(66)は「人形の種類が多くてびっくり。巧みに作り上げたり、操ったりする喜之助さんたちの技術の高さもうかがえる」と話した。

 12月17日まで。月曜日と11月24日休館。同美術館と山陽新聞社主催。

(2023年11月16日 16時07分 更新)

あなたにおすすめ

ページトップへ