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中国、邦人に懲役12年確定 「スパイ罪」上訴を棄却

 北京の天安門広場で掲揚される中国国旗
 北京の天安門広場で掲揚される中国国旗
 【北京共同】中国湖南省長沙市で、反スパイ法に違反した罪で懲役12年の実刑判決を受けた日本人男性の上訴が、今月3日に同省高級人民法院(高裁)に棄却され、判決が確定したことが11日分かった。日本政府関係者が明らかにした。16日を軸に本格調整が進む日中首脳会談が実現すれば、相次ぐ邦人拘束も焦点になりそうだ。

 日本政府は不透明な司法手続きを強く懸念し、中国政府に男性らの早期帰国を要求。岸田文雄首相と習近平国家主席との会談で、邦人拘束を巡り中国側の前向きな対応を引き出したい考えだ。

 男性は50代で、中国で介護関連の仕事をしていた。2019年7月に拘束された。今年2月、長沙市中級人民法院(地裁)で懲役12年の判決を受け、不服として上訴していた。日本政府関係者によると、男性は高裁判決にも不満を示しているという。判決によると、男性はスパイ行為により中国の国家安全に危害を加えたとされる。個人財産の没収はなかった。

 日本大使館員が男性への領事面会を続けており、健康状態の問題は確認されていない。

(2023年11月11日 21時06分 更新)

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