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重森三玲の庭園 竹垣傷み改修へ 吉備中央町教委 CFで費用募る

竹垣の傷みが目立つ庭園と「天籟庵」
竹垣の傷みが目立つ庭園と「天籟庵」
 岡山県吉備中央町出身で昭和を代表する作庭家重森三玲(1896~1975年)が手がけた茶室「天籟庵(てんらいあん)」(国登録有形文化財)の庭園(同町吉川)の傷みが進んでいる。その造りは今なおモダンで、町教委は「日本の宝として多くの人の手で守ってほしい」と、改修費を30日までクラウドファンディング(CF)で募っている。

 天籟庵は三玲が18歳の時の作で、もとは北約1キロの生家に建てられた。69年に現在地に移築される際、晩年の三玲が庭も設計した。

 庭は、渦巻くように絡み合う紅白のモルタルで海と陸を抽象的に表現した地面のデザインが有名だが、茶室名にちなんだ「天」の字が、建物を囲む竹垣の内側にあしらってあるなど隅々まで工夫が凝らされている。

 CFで改修するのは竹垣。町や住民が長年手入れしてきたが、すっかり色があせ、破損も目立つようになったため踏み切った。

 目標額は420万円。茶室隣の重森三玲記念館の難波健吾館長(71)は「世界に誇れる茶室と庭を後世に残すため、ぜひ協力を」と呼びかけている。

 山陽新聞社や中国銀行が運営するCFサービス「晴れ!フレ!岡山」を利用。詳細や支援は専用サイト(https://readyfor.jp/projects/120773)。

(2023年10月20日 16時54分 更新)

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