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イラン、ノーベル平和賞に賛否 国民「誇りだ」「意味ない」

 髪を隠すヘジャブを着用する女性ら=7日、テヘラン(共同)
 髪を隠すヘジャブを着用する女性ら=7日、テヘラン(共同)
 【テヘラン共同】イランの女性人権活動家ナルゲス・モハンマディさん(51)へのノーベル平和賞授与決定から一夜明けた7日、イランでは自由な社会を求める国民から「私たちの誇りだ」と喜びの声が上がった。長年抑圧されてきた女性の権利向上を期待する意見もあるが、改革に後ろ向きな指導部を支持する保守強硬派は「意味はない」と冷たい反応だった。

 首都テヘランのテヘラン大に通う女性ニナさん(23)は「世界はイラン女性の勇気を知った。収監中のモハンマディさんが早く解放されることを願う」と語った。

 髪を隠すヘジャブ(スカーフ)着用に反対するデモが昨年9月に始まって以降、若い世代を中心にヘジャブを着けない女性が増えている。

 一方、保守的な国民には否定的な意見が目立つ。全身を黒い布で覆うチャドル姿のテヘラン大の女子学生タラネさん(21)は、モハンマディさんについて「反体制派の一員なのは明らか。私たちの敵だ」と評した。

 保守強硬派に近いケイハン紙は「この賞は何の意味もなく、冗談である」と論評した。

(2023年10月07日 20時17分 更新)

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