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ウィキは脱ロシア、ウクライナ 表記や出典、根強い影響

 取材に応じる「ウィキメディア・ウクライナ」のアントン・プロティシュクさん=9月、キーウ(共同)
 取材に応じる「ウィキメディア・ウクライナ」のアントン・プロティシュクさん=9月、キーウ(共同)
 【キーウ共同】ロシアの侵攻に抗戦するウクライナで、インターネット上の百科事典ウィキペディアを舞台に、言葉の表記や出来事の記事編集で脱ロシアを目指す動きがある。出典にロシアの影響が根強く、長く同国領だった歴史もロシア語を優位にしてきた。

 取り組みを活発化しているのは地元の編集コミュニティー「ウィキメディア・ウクライナ」。メンバーのアントン・プロティシュクさん(25)は、ウクライナからのウィキペディアへのアクセス数は、現在も自国語版よりロシア語版の方が多く、戦争前は3倍近い差があったと指摘する。

 ロシア語を使える国民が多く、科学分野などではロシア語版の方が充実していることが背景。誰でも編集できるウィキペディアには記事を書く際に参照先を示すルールがあるが「参照先の出版物や資料が、ロシア語の文献に影響されていることが多い」という。

 ロシア領時代の作家や芸術家は出身地が現在のウクライナでもロシアとされたり、英語版などで地名がロシア語に依拠して表記されたりすることが多く、取り組みの対象となる。

(2023年10月07日 17時04分 更新)

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