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ロシア占拠原発「状況悪化」 保守点検不能、駐留兵減少

 インタビューに応じるウクライナのハルシチェンコ・エネルギー相(共同)
 インタビューに応じるウクライナのハルシチェンコ・エネルギー相(共同)
 ウクライナ南部のザポロジエ原発(ロイター=共同)
 ウクライナ南部のザポロジエ原発(ロイター=共同)
 【ウィーン共同】ウクライナのハルシチェンコ・エネルギー相は27日、共同通信の単独インタビューに応じ、ロシアが占拠する欧州最大の南部ザポロジエ原発について、少なくとも毎年必要なメンテナンスがロシアの支配で行えず、設備劣化が進み「状況は悪化している」と訴えた。対ロシア制裁で圧力をかけたり補給路を遮断したりすることでロシア側を撤退させ、奪還を目指す考えを示した。

 同原発の周辺には地雷が埋設されているが、駐留するロシア兵の数は「少し減ったようだ」と指摘。ウクライナが東部や南部で進める反転攻勢を食い止めるために、ロシア側が一部兵士を前線に振り向けたとの見方を示した。

 ザポロジエ原発の原子炉6基は現在、すべて稼働を停止している。同原発が冷却水を取っていたカホフカ水力発電所の巨大ダムが6月に決壊した影響については「冷却水はまだある。水位の劇的な変化はない」と述べ、差し迫った危険はないとの認識を示した。

 ザポロジエ原発は戦闘激化で大事故に巻き込まれることが懸念されている。

(2023年09月28日 18時40分 更新)

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