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W杯日本代表の通訳は元警察官 吉水さんニュージーランドで勤務

 日本代表で通訳を務める吉水奈翁さん(左端)=25日、トゥールーズ(共同)
 日本代表で通訳を務める吉水奈翁さん(左端)=25日、トゥールーズ(共同)
 ラグビーのW杯フランス大会の日本代表で通訳を務める吉水奈翁さん(45)は、ニュージーランドで警察官だったという異色の経歴の持ち主だ。裏方として「1%でも多く勝てるように準備したい」と願い、ジェイミー・ジョセフHCら外国出身のスタッフ、選手が多いチームで橋渡し役を務める。

 川崎市出身で幼稚園からラグビーに親しみ、中学2年でニュージーランドに留学。そのまま移り住み、30歳の頃に警察官募集の広告を見て一念発起した。現地で起きた2011年の大地震では、行方不明者の捜索や日本人被災者の家族対応も経験した。

 「朝から晩まで英語でトラブルを解決する」という毎日。そんな時ラグビーの通訳という仕事を知った。「強みが生かせる」とチャレンジを決意し、帰国してサントリーで経験を積んだ。ジャパン入りのきっかけは19年W杯。日本代表の活躍に刺激を受け、関心を示すと願いがかなった。

 練習時間外でもジョセフHCや選手の間に入り、休む暇はない。報道対応やチーム内に数十あるLINEのグループで翻訳もこなす。「ずっと鳴っている時もある」と苦笑いする。

(2023年09月28日 09時34分 更新)

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