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日中友好の功績 写真や遺品で紹介 吉備中央で内山、高碕氏の企画展

内山、高碕両氏の功績を伝える写真や遺品が並ぶ企画展
内山、高碕両氏の功績を伝える写真や遺品が並ぶ企画展
 岡崎嘉平太記念館(岡山県吉備中央町吉川)の企画展「内山完造と高碕達之助」が同館で開かれている。日中友好に尽くした2人の功績や、町出身で、国交回復の立役者になった名誉県民・岡崎嘉平太(1897~1989年)との関わりを、写真や遺品で紹介している。12月20日まで。

 内山(1885~1959年)=井原市出身=は上海に内山書店を開業。岡崎も立ち寄った。現地を訪れた日本の作家と中国の文学者に交流の場を設け、日中友好協会の初代理事長を務めた。実業家の高碕(1885~1964年)=大阪府高槻市出身=は衆院議員時代、62年にスタートした日中覚書貿易で岡崎とともに中心的役割を果たした。

 会場には、内山の書「共歓共苦」や内山書店で岡崎が買った本、貿易開始の調印で訪中した高碕、岡崎と周恩来首相が収まった写真など計約100点を展示。「(内山さんは)中国人を信頼していたし、中国人も彼を尊敬していた」「相手側は高碕さんのあたたかい心情と実行力にひかれ(略)よき友となった。これは中国人に限らず…」など岡崎から見た人柄も文章で紹介している。

 国交正常化50年を昨年迎えたが、課題が山積する両国政府。初岡綾子学芸員(46)は「内山、高碕たちは人と人の信頼が国同士の友好につながると訴えていた。その姿勢から学ぶべきことは多い」と話す。

 入場無料。火曜と11月24日は休館。問い合わせは同記念館(0866―56―9033)。

(2023年10月09日 12時46分 更新)

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