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イラン核合意再建へ暫定案 濃縮度引き下げで原油輸出

 【ニューヨーク共同】中東カタールが今月上旬、イラン核合意の再建交渉の膠着を打開するため、イランが60%まで高めたウラン濃縮度を20%に引き下げる見返りに、米国がイラン産原油の輸出をこれまでの禁止から日量200万バレルまで認める暫定案を両国に打診したことが24日、外交筋の話で分かった。再建交渉を巡り、仲介役カタールの提示内容が判明したのは初めて。

 イランの核開発制限と米国の制裁解除の範囲を巡る双方の主張の隔たりは依然大きく、暫定案が進展につながるかどうかは不透明だ。広範囲にわたる交渉での合意形成には時間を要するため、カタールは内容を絞り、難局を打開したい考えとみられる。

 イラン核合意は15年に結ばれ、イランが核開発を制限する見返りに米欧が制裁を解除する仕組み。トランプ前米政権による離脱などで機能不全に陥った。バイデン政権は合意再建を目指している。

 核合意は、イランのウラン濃縮度を原発燃料程度の3・67%と定める。60%は核兵器級の90%に接近する重大な合意違反で、米欧は懸念を募らせている。

(2023年09月24日 21時07分 更新)

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