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佐良山古墳群 新たに古墳と住居跡 県文化財センター 23日に説明会

佐良山古墳群で新たに見つかった古墳の竪穴式石室。奥のブルーシートで囲まれた辺りで住居跡も見つかった
佐良山古墳群で新たに見つかった古墳の竪穴式石室。奥のブルーシートで囲まれた辺りで住居跡も見つかった
佐良山古墳群 新たに古墳と住居跡 県文化財センター 23日に説明会
 岡山県古代吉備文化財センター(岡山市)は9日までに、津山市南西部の皿川流域に広がる佐良山古墳群で、古墳時代後期(6世紀中~末期)とみられる小型古墳と住居跡を発見したと発表した。隣接する形で出土しており、同センターは「この時代の美作地域における古墳埋葬のあり方を知る上で貴重な資料」とする。

 JR佐良山駅(同市高尾)から北に1・2キロの山の中腹で確認。古墳は直径約10メートルの円墳で、墳頂部の竪穴式石室1基(長さ188センチ、幅30~50センチ)に、須恵器のふたと刀子(とうす)とみられる鉄器が各1点収められていた。住居跡は、建物の柱穴5カ所と壁の跡とみられる溝からなり、円墳のすぐ北側で出土。内部からは土器の甕(かめ)や砥石(といし)も見つかっており、一帯に広がっていた集落の一部だと推測される。

 同古墳群は、古墳時代後期の古墳を中心に約200基が点在。戦後に調査を担当した近藤義郎岡山大名誉教授(故人)により、従来の貴族や豪族に加え、有力農民も古墳を築くようになったことを示す遺跡とされてきた。同センターは「出土した円墳の規模や住居跡との位置関係から、地域一円を率いた首長層の墓ではなく、住居跡に暮らした有力農民が築いた可能性もある」としている。

 同センターは、23日午前10時と午後1時からの2回、現地説明会を開く。小雨決行。要申し込み(各回先着30人)で、希望者は11~15日に発掘調査事務所(090―2299―5596)に電話する。

(2023年09月09日 12時00分 更新)

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