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未来技術遺産に世界初の人工雪 大型カラー電光掲示板など20件

 世界初となる屋外用の大型カラー映像表示に使われた光源管(国立科学博物館提供)
 世界初となる屋外用の大型カラー映像表示に使われた光源管(国立科学博物館提供)
 雪の結晶の形を樹脂で固定した標本(国立科学博物館提供)
 雪の結晶の形を樹脂で固定した標本(国立科学博物館提供)
 国立科学博物館は5日、次世代に引き継ぐべき「重要科学技術史資料(愛称・未来技術遺産)」に、世界初となる屋外用の大型カラー電光掲示板に関する技術や、世界で初めて人工的に雪の結晶製作に成功した研究室の資料など計20件を選んだと発表した。

 1980年代から2000年ごろに作製され、屋外で大型の映像表示に必要な高輝度を実現した光源管や発光体などが、世界的に普及した技術の歩みを示す重要な資料と評価された。北海道帝国大(現・北海道大)が人工雪の結晶の形を樹脂で固定した1954年ごろの標本などは、世界の雪氷工学の原点として重要だとされた。

 国産ミシンの先駆けとなった「パインミシン100種30型」(35年ごろ)など、現在のジャノメやブラザー工業が作製した複数のミシンは、品質向上や量産化に貢献した点を評価された。リコーの露光・現像一体型の卓上複写機(55年)や、日本独自の技術で開発されたキヤノンの普通紙複写機(70年)も登録された。

 東京・上野の科学博物館で今月12~24日に資料を紹介するパネル展が開かれる

(2023年09月05日 14時01分 更新)

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