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首相、野村農相の更迭を否定 処理水を汚染水発言「不適切」

 取材に応じる岸田首相=1日午後、首相官邸
 取材に応じる岸田首相=1日午後、首相官邸
 岸田首相は1日、海洋放出している東京電力福島第1原発の処理水を「汚染水」と呼んだ野村農相の更迭を否定した。発言について「言い間違いとはいえ、不適切であり極めて遺憾だ」と指摘。その上で、水産事業者への支援策に触れ「早急に対策を取りまとめ、全力を尽くすことで信頼を挽回してもらうことが重要だ」と官邸で記者団に述べた。与野党からは野村氏の資質を疑問視する声が出た。

 野村氏は8月31日に官邸で記者団の質問に答えた際、処理水を「汚染水」と表現した。首相の指示で即日謝罪、撤回。25日の記者会見でも中国による日本産水産物の全面禁輸措置を「全く想定していなかった」と発言し、野党から批判されていた。

 首相は記者団に「野村氏は全面的に謝罪し、撤回した」と強調。支援策の策定にはスピード感が大事だとして「野村氏にも努力してもらいたい。政府全体としても迅速に進める」と表明した。

 野村氏はこれに先立つ会見で「福島の皆さまや関係者に不快な思いをさせて、申し訳なかったという気持ちでいっぱいだ」と重ねて謝罪した。

(2023年09月01日 22時45分 更新)

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