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“救いの仏” 歴史ファンに癒やし 岡山県立博物館で特別展会期終盤

餘慶寺の「十一面観音菩薩立像」(左)などをじっくりと鑑賞する入場者
餘慶寺の「十一面観音菩薩立像」(左)などをじっくりと鑑賞する入場者
 中国5県の37カ寺で構成する中国観音霊場の秘仏や書画がそろう岡山県立博物館(岡山市北区後楽園)の特別展「慈悲のほとけ―観音と古寺の名宝」(山陽新聞社など共催)は9月3日まで。31日も歴史ファンらが訪れ、“救いの仏”の魅力と古代より連綿と続く信仰の歴史に触れた。

 国重要文化財15件を含む約50件を展覧。地域を代表する霊峰に立つ鳥取県・大山寺の「観音菩薩(ぼさつ)立像」(国重文)、あらゆる方角を見通す瀬戸内市・餘慶寺の「十一面観音菩薩立像」(県重文)は穏やかな表情に慈しみの心がにじむ。阿弥陀如来や観音菩薩が人間界に降り立つ姿を荘厳に描いた真庭市・木山寺の来迎図(同)なども関心を引いていた。

 33年に1度開帳される岡山市・法界院の「聖観音菩薩立像」(国重文)目当てに京都市から訪れた大学院生(23)は「造形的な美しさはもとより、目の前にすると、優しく包まれているような感覚になり癒やされます」と話した。

(2023年08月31日 15時27分 更新)

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