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仮想空間で病児と面会 順天堂医院がアプリ実証

 入院中の子どもと仮想空間で面会できるアプリの利用画面
 入院中の子どもと仮想空間で面会できるアプリの利用画面
 順天堂大順天堂医院の小児医療センター(東京都文京区)は、入院中の子どもがインターネット上の仮想空間「メタバース」で家族や友だちと面会するアプリの実証試験を始めた。院内感染防止やがんなどの高度治療のために対面の面会が制限される子どもに、ITで機会を確保する。使い勝手や効果を検証した上で、ほかの病院にも活用を呼びかける。

 小児病棟は水痘(水ぼうそう)やおたふくかぜといった感染症への懸念から、面会は両親に限られることが多い。アプリできょうだいや同級生らとも面会できるようにして、闘病生活の不安やストレスを和らげる。山路健副院長は「子どもの病気に立ち向かう力を支援したい」と話した。

 アプリは「Medical Meetup(メディカルミートアップ)」で、日本IBMと共同で開発した。舞台は南国のリゾート施設。患者はアバター(分身)を操作し、招待した相手のアバターと音声や文字入力で会話する。

 アバターで共に海辺を散策したり気球に乗ったりすることで、リゾートで一緒に過ごしているような感覚を体験できるという。

(2023年08月22日 15時44分 更新)

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