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認知症新薬、承認へ 初の進行抑制効果

 アルツハイマー病治療の新薬「レカネマブ」の米国での製品イメージ(エーザイ提供)
 アルツハイマー病治療の新薬「レカネマブ」の米国での製品イメージ(エーザイ提供)
 認知症新薬の承認を審議する厚労省専門部会のメンバーら=21日午後、厚労省
 認知症新薬の承認を審議する厚労省専門部会のメンバーら=21日午後、厚労省
 厚生労働省の専門部会は21日、製薬大手エーザイと米バイオジェンが共同開発したアルツハイマー病治療薬「レカネマブ(商品名レケンビ)」の製造販売承認を了承した。厚労省は近く承認する見通し。年内にも保険適用される可能性があり、病気の原因物質を除去することで進行抑制を狙った初の認知症薬となる。

 認知症高齢者数は、2025年に約700万人、65歳以上の約5人に1人に達するとの試算がある。患者の6~7割がアルツハイマー病とされる。レカネマブは待望の新薬となる見込みだが、投与対象が早期の患者に限られるほか、脳のむくみといった副作用、高額な薬価による財政圧迫なども懸念される。

 レカネマブは、患者の脳内に蓄積し、神経細胞を傷つけているとみられるタンパク質「アミロイドベータ」に結合し除去する抗体の薬で、病気の原因に働きかける「疾患修飾薬」と呼ばれる。エーザイなどは今年1月16日に承認を申請。審査期間を短縮する「優先審査」の対象になっていた。

(2023年08月22日 00時15分 更新)

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