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北木島盆踊り 保存活動の記録上映 旧映画館で住民ら30人鑑賞

北木島の盆踊りの保存活動を記録した映画の上映会
北木島の盆踊りの保存活動を記録した映画の上映会
ドキュメンタリー映画を鑑賞する観客
ドキュメンタリー映画を鑑賞する観客
 笠岡諸島・北木島(笠岡市)の旧映画館「光劇場」で13日、島に伝わる盆踊りの保存活動を記録したドキュメンタリー映画「鳶(とび)と烏(からす)」が上映され、島民ら約30人が地域の文化伝承に励む有志の奮闘を鑑賞した。

 島では長く「まかせ踊り」や「口説き踊り」といった踊りが伝えられてきたが、島民の減少や高齢化で踊り手が減少。近年は新型コロナウイルス禍で盆踊りが中止になるなど披露の場もなくなっているという。

 映画は、映像作家・吉川寿人さん(41)=兵庫県たつの市=が企画した。島で暮らした経験があり、これまでに特産の「北木石」がテーマの映像も制作。今回は2021年6月から約1年間撮影して約30分に編集し、タイトルの「鳶と烏」は踊りの節回しに登場することから名付けた。

 地域の伝統文化を残そうと立ち上がった有志が、島民に踊りを披露するまでを記録。練習を重ねる様子や島への思いを語るメンバーがスクリーンに映し出され、観客がじっと見入った。上映後は舞台で有志が盆踊りを披露した。

 笠岡諸島への移住を考えているという京都市の会社員(50)は「地元をとても大切に思う人たちの思いや島の魅力が伝わってきた」と話した。

 映画は14日も光劇場で上映される。

 山陽新聞社は地域の課題解決や活力創出を図る「吉備の環(わ)アクション」を展開。映画を通じて北木島の魅力向上につなげる取り組みを後押ししている。

(2023年08月13日 21時06分 更新)

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