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きび団子 お土産どれがいい? さんすて岡山 販売員のお薦めは

 夏休みは帰省や旅行でお土産を買う機会が増える。岡山といえば定番の一つがきび団子。キビともち米が使われるお菓子で、その歴史は江戸期までさかのぼるという。ただ「種類がたくさんあって、どれを選べばいいのか分からない」と感じる人も多いのでは? 疑問を解消するため、JR岡山駅構内の商業施設・さんすて岡山に売り場を持つメーカー8社の販売員にお薦め品を聞いてみた。
さんすて岡山の土産物売り場には多彩なきび団子が並ぶ
さんすて岡山の土産物売り場には多彩なきび団子が並ぶ


金萬堂本舗


金萬堂本舗のきび団子
金萬堂本舗のきび団子

宮地るかさん(22)
 きび団子が2個、串に刺さっている。他社商品にはほとんどなく意外と珍しい。手を汚さずに食べることができ、見た目もかわいらしいと買っていく人が多い。個包装になっていて家族や親戚に、また職場で配るのもぴったり。みんなでシェアして味わってほしい。12個入り840円。

廣榮堂


廣榮堂のきび団子
廣榮堂のきび団子

今岡貴子さん(44)
 地元産の材料や作り方にこだわった「むかし吉備団子」。本当においしいものを、と約3年かけて開発した。岡山市内で栽培したもち米を石臼でひくところから始め、素材本来の良さが出るよう手間暇かけている。木箱入りもあり、お得意先に購入する人も多い。15個入り1296円。

広栄堂武田


広栄堂武田のきび団子
広栄堂武田のきび団子

二村敦志さん(46)
 3種のきび団子を風呂敷に包んでいる。上品な見た目で贈る人を選ばない。中身は甘さ控えめのプレーン▽1番人気でわらび餅のような味わいのきなこ▽真庭市蒜山産ジャージー牛乳を使ったミルク味。小さな子どもにミルク、30代以上にきなこ味を薦めたい。各9個入り1500円。

聖和堂


聖和堂のきび団子
聖和堂のきび団子

西本紀子さん(44)
 夏にアピールしたいのは季節限定の「暑さすっきりきびだんご」。爽やかなラムネ、レモン味と定番のプレーン味の3種入り。ラムネ、レモン味は夏だけの取り扱いで、子どもが親しみやすい人気商品。どの味を買おうか迷っている人にも手軽なセット。18個入り800円。

竹久夢二本舗敷島堂


竹久夢二本舗敷島堂のきび団子
竹久夢二本舗敷島堂のきび団子

出射佐耶さん(25)
 口に含むと団子の中から、県産のマスカット・オブ・アレキサンドリアを使った甘酸っぱい「果蜜」がとろっと出てくる。果物の爽やかな味わいが感じられ、甘い物が苦手な人にも食べてほしい。弊社で扱う唯一のきび団子で岡山名物の二つが同時に楽しめる一押し。6個入り389円。

中山昇陽堂


中山昇陽堂のきび団子
中山昇陽堂のきび団子

内田順子さん(73)
 大人になったスタイリッシュな桃太郎と鬼が箱にデザインされた岡山駅限定品。2020年に発売し“イケメン風”の見た目が若い人から人気を集めている。中身はノーマルなきび団子。近く第2弾を売り出す予定で、どんなキャラクターが採用されるかお楽しみに。8個入り540円。

山方永寿堂


山方永寿堂のきび団子
山方永寿堂のきび団子

岡本夏実さん(34)
 箱を開けると…ぱっかーんと桃から赤ちゃんが顔を出すパッケージ。一つの箱から桃太郎のストーリーを感じられるデザインにしている。もちろん、きび団子の包み紙には、おなじみの桃太郎、鬼、犬、猿、キジをあしらった。開けて楽しい、食べておいしい商品。10個入り500円。

山脇山月堂


山脇山月堂のきび団子
山脇山月堂のきび団子

片岡万里子さん(37)
 きび粉を使ったもちもちふわふわの生地でカスタードクリームを包んだ洋風きび団子。白桃、瀬戸内産レモン入りの2種。冷凍での販売のため約5時間持ち歩きができ、遠方への帰省やお出かけでも大丈夫。暑いこの時季は半解凍にしてアイス感覚で食べてほしい。6個入り1240円。

県外出身の記者が食べ比べ
7社が販売するきび団子を食べ比べる記者
7社が販売するきび団子を食べ比べる記者

 県外出身の記者も、今回の取材できび団子の種類の多さに改めて驚かされた一人。違いが分からず、お土産を買うときに戸惑っていただけに、特徴を知りたくなった。8社のうちプレーン味を扱う7社の味を食べ比べた。

 同じきび団子といっても見た目は多種多様だった。形は平べったいものからこんもりとしたタイプまであり、色は山脇山月堂は黄みが強く、山方永寿堂は白っぽい。並べてみて初めて濃淡があることに気づいた。

 特に違いがはっきりしていたのが、団子表面の粉の量。広栄堂武田は手からこぼれ落ちるほどまぶしてあり、後で尋ねると正体はでんぷんで、水分量が多い団子がべたつくのを防ぐのが狙いらしい。

 気になるお味の方は…。メーカーによって甘みを強く感じたり、もちの風味が際立っていたりと微妙な違いがあると判明。中山昇陽堂は甘さ控えめでぺろっと食べられた。

 食感はさまざまで、金萬堂本舗は軟らかく、口に含むととろけるよう。聖和堂は弾力があってしっかりしていた。見た目と食感にギャップがあったのは廣榮堂。硬めと思いきや、食べると軟らかい。個人的には甘さ控えめで弾力のあるタイプが好みだが、贈る人によって変えてみても面白そう。

 中身もさることながら、パッケージへのこだわりは半端ではない。外箱は桃太郎や桃の個性豊かなデザインをあしらい、食べる前からワクワクさせられる。ほとんどが個包装で、ころんとした団子がかわいい紙に包まれているのもポイントが高い。

 素材への思い入れ、パッケージの追求、新感覚の味わい―。各社が工夫を凝らし“岡山の味”を守っていると実感した。今度の帰省では薦めてもらった品を買って、家族で一緒に味わってみよう。

(2023年08月05日 16時32分 更新)

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