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ロシアによる世界遺産攻撃を非難 国連安保理、大聖堂の被害で

 【ニューヨーク共同】国連安全保障理事会は26日、ロシアによるウクライナ南部オデッサ州への攻撃を協議する公開会合を開いた。各国は世界遺産の歴史地区にある大聖堂などへの被害を「全く容認できない」(日本の志野光子国連次席大使)と非難し、ロシアに文化財への攻撃をやめるよう要求した。

 ロシアはオデッサを連日攻撃し、23日にウクライナ正教会の大聖堂が被害を受けた。国連のキアリ事務次長補は安保理会合で、武力紛争の際に文化財を攻撃対象とすることを禁じたハーグ条約に違反すると指摘した。

 米国のトーマスグリーンフィールド国連大使はロシアのウクライナ侵攻で他にも数多くの文化財が損傷しており「本当に恥ずべきことだ」と批判した。志野氏も「文化遺産への攻撃は国民の固有なアイデンティティーを標的にしているのも同然だ」と糾弾した。

 日本や欧米は穀物輸出拠点であるオデッサへの攻撃で穀物価格が上昇したとして、食料危機回避のため、ウクライナ産穀物の輸出合意への復帰をロシアに求めた。

(2023年07月27日 06時44分 更新)

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