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水俣病原点、「樋門」複製保存へ 撤去方針の水銀排出水門

 熊本県水俣市の「百間排水口」=6月
 熊本県水俣市の「百間排水口」=6月
 水俣病の原因企業チッソ(東京)がメチル水銀を含む有毒な工業用水を排出した「百間排水口」の樋門を撤去する予定だった熊本県水俣市が、樋門を複製して現地保存する方針を固めたことが21日、分かった。同日夕に県と市が開催する患者団体への説明会で、構想を示す見通し。

 腐食が進み崩落の恐れがあるとして、樋門の木製ゲート4基とコンクリート製の足場を撤去する予定だった。しかし「水俣病の原点の地」とされる百間排水口は被害の実相を伝える重要な遺構として、複数の患者団体が現地保存を要望。市は工事を延期、県と現場保存の可否を協議していた。

 関係者によると、ゲートを撤去し、複製を設置する。

(2023年07月21日 11時40分 更新)

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