山陽新聞デジタル|さんデジ

リニア工事認可、沿線住民ら敗訴 取り消し認めず、東京地裁

 JR東海が建設中のリニア中央新幹線について、沿線住民らが国に工事認可の取り消しを求めた訴訟の判決で、東京地裁は18日、「認可に違法があるとは認められない」として請求を棄却した。住民側は控訴する方針。

 問題となったのは、国が2014年と18年に認可した工事の実施計画。市原義孝裁判長は認可の判断について「社会通念に照らし著しく妥当性を欠くとは言えず、裁量権の範囲を逸脱したものとは認められない」と指摘した。

 住民側は認可の前提となったJR東海の環境影響評価(アセスメント)書を巡り、地盤沈下や騒音といった項目の内容が不十分だなどとして認可は違法と主張していた。

 訴訟団長の川村晃生さん(76)は都内で記者会見し「正当なことを主張してきたが、ひどい判決と言わざるを得ない。控訴審の準備に入りたい」と語った。

 今回の訴訟では東京地裁が20年12月、当初の原告781人のうち、乗客の立場でリニアの安全性欠如などを訴えていた532人に対し、原告としての適格がないと判断して訴えを却下する中間判決を言い渡した。

(2023年07月18日 17時44分 更新)

あなたにおすすめ

ページトップへ