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死亡当日の映像、一部上映せず ウィシュマさん入管死訴訟

 名古屋地裁が法廷で上映した、2021年3月5日に撮影されたぐったりした様子のウィシュマ・サンダマリさんの映像(遺族側弁護団提供)
 名古屋地裁が法廷で上映した、2021年3月5日に撮影されたぐったりした様子のウィシュマ・サンダマリさんの映像(遺族側弁護団提供)
 名古屋出入国在留管理局の施設で2021年3月、収容中に死亡したスリランカ人女性ウィシュマ・サンダマリさん=当時(33)=の遺族が、国に損害賠償を求めた訴訟の第8回口頭弁論が12日、名古屋地裁(佐野信裁判長)であり、6月の前回弁論に続き、入管居室内の監視カメラ映像が上映された。死亡当日の一部映像は、傍聴者向けのモニターには映し出されなかった。

 ウィシュマさんの妹ポールニマさん(29)も法廷内で見守った。亡くなる直前の数日間の映像では、ウィシュマさんは会話もままならず、ぐったりした様子だった。死亡した3月6日は、職員の呼びかけにも応じていなかった。

 共同通信記者は事前に、裁判所の記録閲覧手続きで映像を視聴。ウィシュマさんが呼びかけに応じなくなった後、職員らが脈や呼吸を確認する様子が写っていたが、この場面は法廷の傍聴席向けモニターには映し出されず、裁判官や遺族、代理人らのみが見た。

 閉廷後、記者会見したポールニマさんは「亡くなった場面を傍聴人に見てもらうことができなかった」と悔しがった。

(2023年07月13日 00時43分 更新)

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