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桃太郎少年合唱団 存続の危機 団員減少 練習公開し入団呼びかけ

練習に励む桃太郎少年合唱団
練習に励む桃太郎少年合唱団
 創設から60年以上にわたって国内外で数多くの公演を重ねてきた桃太郎少年合唱団(岡山市)が、団員の減少で存続の危機に直面している。団員増や今後のあり方を検討するため、OB対象の「緊急集会」を15日、練習拠点の県生涯学習センター(岡山市北区伊島町)で開く。併せて一般向けの練習見学会を行い、広く入団を呼びかける。

 桃太郎は県内唯一の少年合唱団として1962年に発足した。ウィーン少年合唱団といった世界の名門合唱団とも共演。国内有数の合唱団として活動し、OBは千人を超える。

 団員数はピークの70年代に100人以上を数えたが、習い事の多様化や少子化などで減少傾向が続き、現在は小学1年から高校3年までの13人。新型コロナウイルス感染拡大で活動を制限されたことが拍車をかけ、過去最少に落ち込んだ。県少年少女合唱連盟によると県内の団では10年ほど前から減少が目立ち、加盟団体は2007年の16から10に減った。

 桃太郎は団員増に向け、今年から5歳児以上を対象にしたジュニアコースの募集を始めた。昨年はOBで舞台俳優・音楽家の四宮貴久さんの演出でミュージカルに挑戦するなど、魅力アップにも努める。

 かつては年間10公演以上をこなしていたが、近年は定期公演やイベントなど3、4回ほど。活動の幅は狭まっているものの、ある団員は「仲間と歌うのが楽しい。これからも続けたい」と張り切る。

 上月明団長は「団員は今も熱心に練習し、伝統を守ろうとしている。OBの子どもたちにも加わってもらえれば」と話し、藤木茂彦理事長は「全国でも数少ない男子だけの合唱団を守りたい。これが存続への最後のチャンスかも。多くの人に危機感を共有してほしい」と訴える。

 緊急集会では午後2時から練習を見学(申し込み不要)し、3時からOB対象に説明会がある。団の練習は毎週土曜午後2~5時。入団は事務局(086―255―5800)で随時受け付けている。

(2023年07月09日 12時04分 更新)

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