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災害対応できる組織へ情報共有 矢掛の城江自主防災会 機関紙創刊

創刊した機関紙「しろぼう通信」を手にする田口会長(左)と奥野さん
創刊した機関紙「しろぼう通信」を手にする田口会長(左)と奥野さん
 岡山県矢掛町中地区の3町内会で組織する城江自主防災会(47世帯)は、設立10年を節目に機関紙「しろぼう通信」を創刊した。年2、3回のペースで発行し、活動に関する情報や地域の話題を載せ、防災意識を住民間で高めていく。

 A3判カラーの二つ折り。今春完成した創刊号は、写真でこれまでの活動を振り返ったほか、「あの日を忘れない!」と見出しを付けたコーナーでは、2018年の西日本豪雨で地区内の渓流から土石流が発生したが、迅速な避難態勢をとって人的被害を出さなかったことを掲載した。避難指示の基準や行動もおさらいした。

 同防災会は13年4月に発足し、毎年防災訓練や講習会を実施。10年で防災士を13人にまで増やした。地区のほぼ全域が土砂災害警戒区域にあるものの町に登録できる一時避難所はなく、21年10月には地元の事業所と、災害時に社屋を一時避難所として利用するための協定を結ぶなど、町の自主防災活動を引っ張る存在となっている。

 今後の活動を話し合う中で、情報発信を通じて連携をさらに高めていこうと、機関紙の発行を決めた。同防災会役員の奥野隆俊さん(64)を編集長に編集委員5人が、出水期前やルール改正時など、必要に応じて発行し全戸配布する。

 設立時から務める田口英明会長(70)は「情報をいち早く、繰り返し載せることで災害に対応できる組織づくりを目指す。これからも自分たちで、地域の大切な命を守っていきたい」と話している。

(2023年06月30日 09時08分 更新)

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