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那須雪崩事故、栃木県に賠償命令 教諭への請求は棄却、8人死亡

 那須雪崩事故を巡る訴訟の判決が言い渡された宇都宮地裁の法廷=28日午前
 那須雪崩事故を巡る訴訟の判決が言い渡された宇都宮地裁の法廷=28日午前
 宇都宮地方裁判所
 宇都宮地方裁判所
 栃木県那須町で2017年3月、登山講習中の高校山岳部員ら8人が亡くなった雪崩事故で、犠牲者5人の遺族が県などに損害賠償を求めた訴訟の判決で宇都宮地裁は28日、県と県高等学校体育連盟に約2億9千万円の賠償を命じた。責任者だった教諭ら3人に対する賠償請求は棄却した。

 県側は賠償責任を認め、3人は公務員個人としての責任を否定していた。浅岡千香子裁判長は判決理由で「公務員が職務で損害を与えた場合は自治体に賠償責任がある」との国家賠償法の規定を引用し、3人の賠償責任を認めなかった。

 3人は、講習会委員長として現場近くの本部にいた1人と、生徒を引率した2人。

 原告側は、救命装備が不備なまま、雪崩の可能性を探る「弱層テスト」をせず、下見していない地点で雪上訓練をしたとして「重大な過失がある」と主張。3人は、同法上の規定により公務員個人としての責任はなく、雪崩発生は予測できなかったと反論した。県側は、過失や賠償責任を認めた上で賠償額を争っていた。

(2023年06月28日 13時07分 更新)

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