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水どっと 香川・満濃池でゆる抜き 4年ぶり見物客、歓声上げ満喫

勢いよく水路へ水が流れ出した満濃池の「ゆる抜き」
勢いよく水路へ水が流れ出した満濃池の「ゆる抜き」
 国内最大級のため池、香川県まんのう町の満濃池(最大貯水量1540万トン)で15日、田植えシーズンに合わせて水門を開く「ゆる抜き」が行われた。新型コロナウイルス禍で見物客を入れず実施してきたが、今年は4年ぶりに開放。大勢の人が讃岐地方の初夏の風物詩を満喫した。

 満濃池土地改良区の役員らが豊作祈願の神事を行った後、正午ちょうどに水門が開かれた。大量の水がごう音とともに勢いよく流れ、水路沿いの橋の上では見物客が「わあ」と歓声を上げ、盛んに写真を撮っていた。

 友人と訪れた坂出市、主婦(66)は「コロナ禍が一段落してようやく来ることができた。水がどっとあふれ出す瞬間は感動した」と話していた。

 「ゆる」とは、大正時代の初めまで池の取水口をふさいでいた直径約60センチの木製の栓で、現在の水門は電動式。最大毎秒5トンの水が放出され、稲刈り期の10月上旬まで丸亀市など2市3町の水田計約3千ヘクタールを潤す。

(2023年06月15日 16時04分 更新)

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