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書や備前焼 吉備の国に多様な芸術 倉敷・きび美ミュージアム企画展

山田方谷のびょうぶなどが並ぶ会場
山田方谷のびょうぶなどが並ぶ会場
 倉敷市美観地区のきび美ミュージアム(同市中央)で、企画展「燦(きら)めく吉備」が開かれている。儒者の書、備前焼、油彩など計63点を展示し、吉備の国が生んだ多様な芸術を紹介する。7月11日まで。

 書は幕末の備中松山藩で財政改革を成し遂げた山田方谷(1805~77年)、江戸後期に福山市神辺町で私塾・廉塾を開いた菅茶山(1748~1827年)、廉塾で塾頭を務めた頼山陽(1780~1832年)らの漢詩作品。方谷は六曲一隻のびょうぶで、廃寺から雪景色を眺めた際の心象を柔らかな字体でつづる。山陽は鳳凰(ほうおう)の鳴き声を記した扁額(へんがく)「鳳鳴鏘鏘(しょうしょう)」をはじめ、雄々しい筆致で方谷と好対照をなしている。

 備前焼は、羽毛の隙間から煙が出るキジの香炉、日本絵の具で彩色した柿本人麻呂像といった、丁寧な仕事ぶりの作品が並ぶ。洋画では倉敷市出身の寺松国太〓(〓は郎の旧字体)(76~1943年)に焦点を当て、好んで描いた裸婦や天女を飾った。

 午前10時~午後6時(入館は午後5時半まで)。一般700円、中高生500円、小学生300円。問い合わせは同ミュージアム(086―425―8080)。

(2023年06月01日 11時43分 更新)

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