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“殿様の眺め”心ゆくまで堪能 後楽園で延養亭特別公開始まる

特別公開された延養亭から園の景色を味わう観光客
特別公開された延養亭から園の景色を味わう観光客
 岡山市の後楽園で22日、岡山藩主が居間として使った「延養亭」の特別公開が始まった。観光客はかつてのあるじに思いをはせながら、園内随一とされる眺望を心ゆくまで堪能している。28日まで。

 主室(約10畳)の前には、操山を借景にした芝生広場や沢の池、ピンクに色づいたツツジが広がる。初日から家族連れらが次々と訪れ、初夏の陽光を浴びて輝きを増す絶景や、室内にある藩主池田家伝来の脇息(きょうそく)や敷物に見入っていた。

 福島県会津若松市から夫婦で来た男性(72)は「当時の殿様に眺めた感想を聞いてみたい。ぜいたくなひとときを過ごせました」と話した。

 建物に隣接し、倉敷市ゆかりの日本画家・池田遙邨(ようそん)が描いた竜の天井画がある茶室「臨〓(〓はサンズイにケモノヘン、右に奇)軒(りんいけん)」も見学できる。

 延養亭は17世紀後半に建てられ、1945年に岡山空襲で焼失後、60年に復元された。

 特別公開は1日6回(各20分)行い、予約優先で各回定員10人。参加料600円(入園料別)。問い合わせは後楽園事務所(086―272―1148)。

(2023年05月22日 11時58分 更新)

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